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最終更新 - 2011年9月2日

テーピングの基礎知識

taping

【 どんな場合に役立つ? 】

捻挫や肉ばなれの治療や予防にテーピングが大きく役立っています。 テープの保護効果で、軽い障害であればそのまま競技を続けることが可能ですし、回復後の不安感を払拭するためにも用います。
スポーツ愛好家の心強い味方となるテーピングも、ただテキトーにぐるぐると巻けばよい、というものではありません。本来の効果が得られないばかりか、貼り方によっては血行不良やむくみ、皮膚のカブレの原因にもなります。
ここでは、テーピングが最適な処置となる代表的な負傷『ふくらはぎの肉離れ』と『足首の内返し捻挫』を例に取り、実践的なテーピング法を紹介します。


taping

【 テープの種類と用途 】

テープには2つのタイプがあります。
筋肉に問題が起こったときは伸縮性のタイプを、関節に問題があるときは伸縮性の無いタイプを使います。
これらのテープをカットするための専用のハサミもありますが、刃の噛みあわせがしっかりとしたハサミなら実用になります。 伸縮性タイプは布の部分がゴム編みになっているため、少し厚みがあります。
当院では『日東メディカル』製の5cm幅(左)を使っています。難点は価格ですが、薄さとヘタリの少なさ、糊の質が優れています。
非伸縮タイプでは『ミューラー』製の2.5インチ幅(右)を使っています。縦横に織られた布に粘着材がついていますが、横列の緊張が少し弱いのが特徴で、テープが身体の曲面になじみ易いのと、テープの両端に小さな切込みが入っているため素手で綺麗にカットできます。


足首捻挫の手当て

捻挫の症状

【 原因と症状 】

ジャンプした後の着地時に、他のプレーヤーの足に乗り上げたといった原因により、強い捻れが足首に起こります。殆どが足裏が内側に向くタイプです。
この捻挫で傷つき易い靱帯(隣り合う骨を互いに繋ぐ繊維性の組織)を、青、黄、の順に示しました。
いずれも足首が正常な関節の可動範囲を超えて捻れることで引き裂きの力を受ける部分です。
靱帯が切れたり伸びたりすると関節の位置関係が乱れ、機能障害を起こします。
受傷直後には圧迫痛や関節運動による痛みが発生し、程度が重ければ、続いて腫れや濃い紫色の皮下出血痕が出現します。皮下出血は不安を誘いますが、適切な固定を行なえば2週間以内に吸収されるので心配ありません。



taping

【 応急手当1:患部の冷却 】

直後の手当てで最優先されるのは氷嚢による冷罨法。手元に無ければビニール袋でも構いません。氷を入れ隙間を水で満たして使います。
リクツ:人間の身体は常に一定の状態を保とうとするので、冷罨法を行なうと局所の毛細血管が広がります。冷罨法はこの働きを利用しています。
傷ついた組織から洩れ出る化学物質が痛みの原因になります。負傷した部分の血行を促進させ、この化学物質を運び出させ、同時に補修の材料を優先的に運び込む、という考え方です。
長時間冷やし続けてはいけません。冷たさが痛みに変わりそうだったら直ぐに氷嚢を患部から離します。患部の皮膚が赤くなっていたら十分な効果が望めます。皮膚の温度が回復するのを待って再び冷やし、これを数回繰り返すと痛みが治まってくるはず。
注意1:蓄冷材は低温下で表面の滑らかさに欠け、凍傷を招く惧れがあるのでお勧めしません。
注意2:コールド・スプレーは最悪です。必要な冷却効果が得られないばかりでなく、皮膚の凍傷を招く惧れがあるのでお勧めしません。
注意3:『冷感湿布』を貼っても患部の温度は下がりません。単なる“気休め”でしかないわりに“肌荒れ”というオマケを残します。


taping

【 応急手当2:患部の固定 】

冷罨法が済んだら、非伸縮性のテープを用いて足首の固定を行ないます。
図は右足の外側から見た完成図。中足骨から出発するテープ(黄色)と、内くるぶしから出発するテープ(緑色)で、これらは内返しの再発を防ぐためのテープ。
3つめのテープ(青色)は、先に貼ったテープをしっかりと安定させるために貼ります。
この他に仕上げとして伸縮性のテープを末梢側と下腿側の端に巻きます。(本図には描いてありません。)

注意1:テープに縦の皺がよるのを避けてください。指で丁寧に両側に向って丁寧に縦皺を延ばしながら貼っていきます。
注意2:テープが互いに交わって一周するのを避けるようにしてください。末梢部分の疎血や浮腫みを避けるため、絶対に守ってほしい原則です。


手順1-中足骨から出発するテープ

プラットフォーム

① 足の関節を直角に曲げた位置保ったまま、
② 第三中足骨付近から内側に向かって真っ直ぐテープを貼付し、
③ 前距腓靱帯部分(上の図では青い3重丸の部分)を通過して脛の前に向かい、足関節から10cmほど上の部分を終点にします。
④ このテープと少し位置をずらしてもう一本、重ねるように貼ります。
貼ったテープが剥がれないように、ていねいに押さえておきます。 注意:運動性が損なわれないようにするため、足関節を直角にしてから貼ってください。

中足骨テープ外側から見た図右足を外側から見た図

中足骨テープ斜め上方から見た図斜め上方から見た図

中足骨テープ下方から見た図下方から見た図

手順2-内くるぶしから出発するテープ

プラットフォーム

このテープは角度の違う2本を貼ります。
① 足の関節を直角に曲げた位置保ったまま、
② 内くるぶしと踵の中間からスタートし、踵の角に向かいます。
③ 踵を廻って前距腓靱帯部分(上図の青い3重丸部分)を通過して脛の前に出て、足首から10cmほど上をテープの終点とします。
④ 次に2本目のテープを貼ります。このテープは①と同じ場所から出発しますが、今度は角度を少し変えて、足底に対して直角の方向に向かい、
⑤そのまま足底を通過し、外くるぶしの中央を通過するように上に向かい、③と同じ場所を終点とします。


中足骨テープ外側から見た図右足を外側から見た図

中足骨テープ斜め上方から見た図斜め上方から見た図

中足骨テープ下方から見た図下方から見た図

手順3-踵をまわるテープ

プラットフォーム

これまで貼ったテープが外くるぶしの下の部分で皮膚から浮き上がって見える筈です。そこでこの部分を押さえて密着させるテープを貼ります。
① 第5中足指の付け根から貼り始めて踵骨方向に進みます。『内くるぶしから出発するテープ』の貼りはじめの部分を覆ってから踵骨に進み、
② テープをアキレス腱に掛けないよう注意しながら、踵骨の端を廻り、
③ 外くるぶしの下部分で、これまで貼ったすべてのテープの上に被せて足先側に進み、第1中足指の側面に至るまで貼付します。
みきまつでは更に仕上げのテープを貼りますが、応急処置としてなら、ここまでで充分でしょう。


中足骨テープ外側から見た図右足を外側から見た図

中足骨テープ斜め上方から見た図斜め上方から見た図

中足骨テープ下方から見た図下方から見た図

ふくらはぎの手当て

肉離れの症状

【 原因と症状 】

全速で走っている最中に急に停止しようとした場合や、ジャンプからの着地時に、他のプレーヤーの足に乗り上げたといった原因により、ふくらはぎの筋肉に強い引き裂きの力が加わります。その結果筋肉が千切れてしまう症状が肉離です。多くは腓腹筋内側頭に発生しますが、大腿部後面(ハムストリング)にも多発します。
ふくらはぎの筋が傷つくと、直ぐに運動痛と機能障害がおきます。具体的には、爪先立ちになろうとすると痛みが強くなります。程度が強ければ歩くことも困難になります。
ひどい損傷を受けているのに処置を怠った場合、時間の経過と共に断裂面が離れていき、その断端が指先に触れるほどに発展することもあります。
※立つことが全く出来なかったり、座っていても足首を底屈(足裏方向に足首を動かすこと)できないと場合は『アキレス腱断裂』の可能性が高くなります。テーピングだけでは修復不能ですし、時間の経過と共に断裂面が離れてしまうので早急な外科的処置が必要になります。
負傷から暫くすると皮膚の下に紫色の出血斑が見えるようになります。
皮下出血斑は肉離れを起こした箇所と、そこより下の部分に観察されます。これは筋から流れ出た血液が、重力によって筋膜の隙間を通って下に移動するためです。2週間もあれば自然に吸収されます。



taping

【 応急手当1:患部の冷却 】

直後の手当てで最優先されるのは氷嚢による冷罨法。手元に無ければビニール袋でも構いません。氷を入れ隙間を水で満たして使います。
リクツ:人間の身体は常に一定の状態を保とうとするので、冷罨法を行なうと局所の毛細血管が広がります。冷罨法はこの働きを利用しています。
傷ついた組織から洩れ出る化学物質が痛みの原因になります。負傷した部分の血行を促進させ、この化学物質を運び出させ、同時に補修の材料を優先的に運び込む、という考え方です。
長時間冷やし続けてはいけません。冷たさが痛みに変わりそうだったら直ぐに氷嚢を患部から離します。患部の皮膚が赤くなっていたら十分な効果が望めます。皮膚の温度が回復するのを待って再び冷やし、これを数回繰り返すと痛みが治まってくるはず。
注意1:蓄冷材は低温下で表面の滑らかさに欠け、凍傷を招く惧れがあるのでお勧めしません。
注意2:コールド・スプレーは最悪です。必要な冷却効果が得られないばかりでなく、皮膚の凍傷を招く惧れがあるのでお勧めしません。
注意3:『冷感湿布』を貼っても患部の温度は下がりません。単なる“気休め”でしかないわりに“肌荒れ”というオマケを残します。


taping

【 応急手当2:患部の固定 】

冷罨法が済んだら、伸縮性のテープを用いてふくらはぎの固定を行ないます。
負傷したふくらはぎに再び引き裂きの力が掛かってしまうのを防ぐため、筋繊維の方向(※腕や脚においては骨格に平行です)に沿って伸縮性テープを貼ります。
※注意1:腓腹筋の肉離れのテーピングは膝関節を伸ばし、足関節を90度曲げた状態(足先を頭の方向に90度曲げた状態)にして貼ります。貼付後の歩行がスムースにできるようにするためです。安静時の肢位と違うので注意してください。患者本人が自分で貼付できますが、他人に頼んだほうが簡単で、きれいに仕上がります。
※注意2:テープの貼り始めと貼り終わりには引っ張りの力を掛けないでください。テープの端の皮膚に引き裂きの力が加わるのを避けるためです。
筋挫傷を保護するテーピングを貼る際は、その筋肉が何処から始まって何処に終わり、どの関節運動に係わるのか?といった知識が必要です。腓腹筋内側頭の場合は、大腿骨の後ろ、膝関節の上から始まり、他の2本の筋と合流し、アキレス腱に姿を変え、最終的には踵の後ろ側に終わっています。


腓腹筋内側頭中央を保護するテープ

ふくらはぎのテーピング

イラストは、テープを貼る人がいることを前提にしています。負傷した人が一人で貼るのは難しいです。運動性が損なわれないようにするため、足関節を直角に保ちながら貼ってください。
① 腓腹筋のどの部分に痛みがあるのかを確認し、しるしを付けておきます。
② 踵部の足裏から出発し、アキレス腱が腓腹筋と切り替わる部分まである程度張力をかけつつ、貼っていきます。
③ 先ほど付けたしるし部分(=損傷部位)にだけは強く引っ張りながら貼り付けます。
④ アキレス腱が腓腹筋と切り替わる部分を過ぎたら、①で点けたしるしの部分まではテープを引っ張らず、やさしく貼りつけます。
⑤ しるしの部分だけは最大限に張力を掛けて貼付し、通過したところで再び張力を掛けずに貼っていきます。膝裏を過ぎて大腿部の端まで貼付します。
⑥ もう一本、少し位置をずらして重ねるように貼ってください。必要に応じて更に同様のテープを貼り増しします。

アキレス腱と腓腹筋との境目を保護するテープ

ふくらはぎのテーピング

ふくらはぎの肉離れではアキレス腱との境目(上図で黄色に表示)に痛みがあることも多いです。この場合はテープの貼り方が少しだけ違いますので紹介します。 患者はうつぶせになって膝関節は伸ばし、床面と足首の間に何かを入れて、足関節を直角に保ちます。
① 踵の底に伸縮性テープの端を置き、アキレス腱に沿って強く引っ張りながらテープを貼ります。
② 強く引っ張りながら貼り付けつつ痛みのある部分を通過したら、引っ張るのを止め、
③ そのまま膝の内側までやさしく、置くように貼り付けます。
④ このテープと少し位置をずらしてもう一本、重ねるように貼ってください。
これで一丁挙がり!実際に歩かせてみて、痛みが残るようなら更に同様のテープを貼り増していきます。
注意:用事が済んだら速やかにテープを剥がすようにしてください。テーピングの欠点は肌荒れなので、長時間の運用はお勧めしません。