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最終更新 - 2010年07月12日
たま~に書いています。

腰部コルセットの真実

【 コルセットの種類 】

腰部に装着するコルセットは、腰椎症などの患者が腰部の安定を得やすくするために処方されるものです。材質はプラスチック製ですがグレードが様々あり、固定力の少ない単純な造りのものから幅広く腰部から腹部を覆う、二重構造になっているものまでピンキリです。
かつては装具師に依頼して患者の腰部の型を石膏で採取(!)して作ったゴツいコルセットを保険診療で処方されていましたが、そんな手間とお金を掛けたにもかかわらず、微妙なサイズの調節が難しく、装着の手間が掛かるために、このタイプを続けて使っている人は少ないようです。
それに比べ、サイズ面での汎用性に富むマジックテープを使用した製品は価格面でも1/5以下と、まことに合理的です。
ウエストの寸法は人により大きな差があるため、コルセットも様々なサイズが用意されていますが、表示されているサイズを当てにせず実際し試着できるところで購入すると良いでしょう。正しい装着法も知る必要があります。


【 正しいコルセットの装着法 】

腰部コルセットの装着法を紹介します。腰部コルセットは腹部を締め付けるために装着するのではありません。上部腹部が圧迫されると不快感が増します。骨盤の縁部分、或いはヘソより多少下側をカバーするように装着します。下腹部を下方から支えるようにテーパー状に装着すると、胃を圧迫することなく、より良い装着感が得られるでしょう。
二重になっているものでは、腹に接触する側をきつく巻かないようにしましょう。外側の帯を強く締めます。マジックテープ式のものは外側の帯をコルセットの最下端に留めるようにします。 コルセットは腰椎周りの運動を抑制するだけでなく、腰に悪影響を与える危険な動作をしようとしていることを装着している人に教えてくれる道具であるとも言えます。


【 コルセットをつけると筋力が衰える? 】

「コルセットを装着するとその周りの筋肉が衰える」という伝説があります。如何にも尤もらしく聞こえますが、根拠はきわめてあやふやです。
あらゆる筋肉には、複数の骨の間を関節を跨いで繋ぐ役割があり、腰周りにある筋肉も、縦横斜めと色々な方向に張りめぐらされて胴体をしっかり支え、また、腰の前後左右への屈伸や捻りなどの複雑な動きを実現しています。それらの筋肉の中で、腰部コルセットがその機能を肩代わりできるのは、腹横筋などの一部の働きだけです。

昔、脊椎カリエスという病気があり、これは結核菌が脊椎骨を侵すことにより骨の強度が落ちるというものでした。対策として、亀の甲羅の如く腰骨から上を胸まで覆うコルセットを装着していたのです。病気が治ったときは勿論、治療中も胴体の皮膚の清潔を保つ目的でしばしばコルセットを外しましたが、そうすると立つことができなくなってしまう・・・なんてことは起こりませんでした。


【コルセットの欠点と限界 】

良いことずくめのようなことを書きましたが、腰部コルセットにもやはり欠点があり、最たるものはその装着感の煩わしさ。腰部コルセットの固定力と、装着による煩わしさは正比例します。
最近の製品は通気性への配慮があるものが多いですが、完全な通気性を持たせるのが困難なため、腹部の皮膚との摩擦により肌荒れを起こす例もあり、肌の弱い方には負担になるようです。しかし腰痛の軽減効果と天秤に掛けてみたときに、装着した方がメリットが得られればいたし方ありません。
また、メリハリのある体型の女性ですと、骨盤周りの周囲径と腹部の周囲径の差が激しく、コルセットが上方にせり上がってきてしまい、役目を果たせないことがあります。このような場合は最初から適用外、ということになります。当院では晒し布を腰部に巻くことで対応しています。


頸部コルセットの真実

【 頸部コルセットの機能 】

頸部に装着するコルセットは、寝違えや頸椎症などの患者が腰部の安定を得やすくするために処方されるものです。材質はプラスチック製ですがグレードが様々あり、固定力の少ない単純な造りのものから幅の調整が可能な構造になっているものまでピンキリです。
頸部コルセットは単に頸部の周りに装着すればいいという道具ではありません。下顎の端と後頭部で支えた頭部の重みを鎖骨に直接伝えることで頚椎に掛かる力を逃がすと同時に、頸部の筋の負担を軽減する働きがあります。従って正しい装着法を云々する前に頸の寸法にあったコルセットであるか、が大事です。長さが足りないものは論外、ということになります。
寸法さえ合っていれば、寝違えなどのように、頸部を動かそうとする際に強い痛みを感じる場合は、装着によって即座に疼痛軽減が得られる場合もあります。


【 筋力が衰える? 】

「コルセットを装着すると周囲のの筋肉が衰える」とよく言われます。これも尤もらしいフレーズですが、根拠は不明です。
頸周りに限らず、あらゆる筋肉には、ひとつの骨と他の骨を関節を跨いで繋ぐ役割があり、頸の周りにある筋肉は縦横斜め、色々な方向に筋繊維が張りめぐらされており、複数の筋どうしが協調運動することで頭部や、上肢を動かす働きをしています。そのうち頭部の重さを支える機能だけはコルセットが肩代わりしますが、その他の機能はサポートしていません。従って、頸部全体の筋力が衰えるということはないのです。

インドシナ半島の山岳地方に「首長族」と呼ばれる少数民族があり、銅製の太い針金を女性の首の周りに巻きつける習慣があります。首が長く見えれば見えるほど美人、てことになっているのですが、いくら湿度の少ない地方とはいえ、さすがに不衛生になるため時々針金を解いて首の皮膚を掃除します。
その映像を息を詰めて見ましたが、針金を外した件の女性の首が燃え尽きたマッチの頭の如くがっくり垂れ下がってしまった!・・・なんてことは起こりませんでした。


【 欠点と限界 】

良いことずくめのようなことを書きましたが、頸部のコルセットにも欠点があり、最たるものは装着感の煩わしさです。
腰のコルセットと違って着衣の中に隠すことができないのでモロに見た目の違和感があります。しかし頸部疼痛の軽減効果と天秤に掛けてみたときに、装着した方がメリットが得られれば、いたし方ありません。
実際、早期にコルセットを装着することで痛みが早く治まる例を多く見ています。また頸部コルセットを何ヶ月も連続して使用しなければならないような例は、滅多にありません。


湿布薬使用上の注意

【 湿布剤の効き目とは? 】

有史以来、地球上に自生種のケシは皆無。すべて人間が栽培しているのだそうです。ケシの子房から採取した樹脂から抽出される阿片。それを精製して出来る代表的な薬物がモルヒネで、この薬の仲間は非常に強力な鎮痛効果をもっています。ついでに精神的な作用として多幸感に満たされ、仕事なんかやってられない・・・という感じになるそうです。また強い依存性があり、怖ろしい禁断症状もあるという危険な代物です。
モルヒネや、このグループの薬物であれば、皮膚にちょいと塗っただけで、即座に痛みが消えるでしょう。ただ薬物中毒の懸念が有り過ぎるので、湿布などに無闇に応用できる代物ではありません。
たとえ医師の処方であっても、薬店に売られているものでも、もう少し違う仕組みで働く別の系統の薬品が主成分ですので、ご安心ください。
劇的な効き目がなくても、とりあえず気持ちが良いし安心できる、というのが人気の理由です。しかし湿布を貼り付けたまま患者さんが来院されることが多いのは皮肉ですね。だって湿布剤が効いていれば、接骨院なんかには来院しないでしょう?

【 副作用は? 】

これらの湿布剤はたいした鎮痛効果がない割りに、肌荒れという副作用はしっかりと付いてきます。診察台に横たわった患者さんの背中に赤くて四角い皮膚荒れを発見したら、それが湿布剤の貼付痕です。
製薬会社にとって湿布剤の販売が如何においしい商売なのか、有名スポーツ選手などを起用した派手なコマーシャルを見れば容易に推察できます。莫大な予算に見合う稼ぎがあるのでしょう。
ありがたそうなパッケージに納まって薬店の棚に陳列された、原価タダ同然(言い過ぎか?)の高価な湿布剤の持つ主な効果は、「これならテレビの宣伝の通り良く効くかも。」と患者に期待を持たせること。つまり湿布剤の効き目というのは「気はココロ」効果がその殆どを占めているようです。 以上総括しますと、「湿布の主作用は肌荒れ、副作用は気休め」というシンプルな表現が適切ではないでしょうか?


【 冷湿布?温湿布? 】

しばしば患者さんから「家では温湿布と冷湿布のどちらを使ったらいいのか」という質問が出ます。
では、お手元の湿布剤のパッケージを注意深く見てください。それは「冷湿布」じゃなくて「冷感湿布」でしょう?貼った瞬間に気持ちよい冷感をもたらすのはメントールというミントのエキスがもたらす効果です。
「冷感湿布」が冷えるイメージをもたらすブルー系のパッケージである一方、「温感湿布」の方は如何にも暖かさを予言するようなオレンジ系のパッケージデザインです。この「温かい感じ」はカプサイシンという唐辛子のエキスがもたらすもの。「冷感湿布」をコップに貼っても中身の水は冷えないし、「温感湿布」を湯飲みに貼り付けても中身の水は温まりません。当たり前だけど。
メントールもカプサイシンも肌荒れの原因となり得るということが経験上わかっていますので、件の質問には「肌荒れが心配なら、温感も冷感も止めてください。」とお答えし、もうちょっとマシな効果ある氷嚢による冷罨法をお勧めしています。ジャンプ先⇒応急手当法:冷罨法

骨盤を“矯正”する?

【 骨盤“矯正”にまつわる話 】

「体調不調の原因はすべて“骨盤の歪み”にあるのでわたしが何とか矯正してあげよう。」と言い切るような自称“治療家”が巷には多く生息しているようです。
“矯正”という言葉を使うなら『正しい骨盤の位置』ってものがあるという主張でしょう。何を寝言を垂れているのかと笑っていましたが、一般の方はこのトンでも情報をマジで受け止めて信じ込んでいる方もあることを当院にお越しいただいた複数の患者さんから知ることとなり、こりゃ困ったことになっているナ・・・と感じています。
馬鹿なメディアの助けもあってここまで蔓延ったこのトンでも情報、もはや撲滅することは不可能でしょう。しかし知りたい人には説明が必要ですし、世間様の誤解も解かにゃならんので、出来るだけ簡単に書いてみます。
骨盤とは胴体と左右二本の下肢を繋ぐ部分にある骨のカタマリです。いくつかの骨片が癒合したり関節したりして、おおむね平べったい輪のシェイプに纏まっています。骨盤はその底部左右にそれぞれの股関節を備え、中央にある仙骨の上には腰椎があります。
骨盤と腰椎を繋ぐ筋肉の緊張の程度が左右で異なっていれば、骨盤の水平が保たれないことがあります。骨盤の水平が傾くと、見かけ上の脚の長さが違って見えます。
また、骨盤の前後の筋の緊張バランスによっては骨盤全体が前後に傾くことがあります。



【 それは歪むものなのか? 】

骨盤自体には恥骨結合と左右の仙腸関節という可動部分がありますが、傍目で見てはっきり判るような大きな動きはありません。
だから“骨盤の歪み”というのは骨盤自体の変形を指すのではなく、骨格の中での骨盤の位置に“正しい位置”というものがあり、あなたの骨盤はその“正しい位置”からずれているのだ、と言いたいのでしょう。
さて、“骨盤の歪み”と聞けば、そのイメージは体の中で骨盤だけが際立ってへんてこな場所に位置しているかのようなものになりましょう。「あんたの骨盤歪んでるよ」などと言われれば、一般の方ビビってしまうのも無理ないかも知れません。なにしろ相手は治療の“専門家”なんだから、豊富な経験と知識に基づいた診断なのだ、と思い込んでしまいますよね。“専門家”の施術により、あなたの骨盤に然るべき操作を加え、歪んだ位置にある骨盤を“正しい位置”に戻してあげる、と言いたいのでしょう。
でもちょっと待った~!骨盤周囲の運動解剖学をちゃんと勉強した人なら、骨盤だけが骨格から独立しているようなイメージは持っていません。


【 “正しい”骨盤の位置? 】

骨盤を“矯正する”と称するなら、先ずは“あるべき骨盤の位置”が定義されていなければならないでしょう。
「相応しい表情」、「正しい中指の位置」、「正しい唇の形」と指令されても「正しさ」というものが定義されてい場合は実行不可能です。
「厳粛な場面に相応しい表情」、「鉛筆を持つ場合の正しい中指の位置」、「口笛を吹くときの唇の形」ということなら実行できます。
それと同じで“正しい骨盤の位置”なんてものは存在しません。日常生活の色々な局面で必要とされる動作によって骨格との相対的な位置関係が決まります。
「正しい骨盤の位置」があなたの周りの状況により刻々と変化するものである以上、何処がどのように“歪んで”いるのでしょうか?ありえない話しです。


【 左右と前後のバランス 】

骨盤と周囲の骨を繋ぐ筋肉はざっと考えて片側で15本以上あります。
人間には効き手や効き脚、軸足などがあり、四肢の使い方は身体の左右で違うので、筋肉の量や力の強さも左右差があります。堅牢なイメージがある骨の形も、それに着いている筋に引っ張られて形が変わるものだというのをご存知でしょうか?鏡に映るあなたの顔の左右が正確な軸対称でないのと同様に身体にも左右差があるのはあたりまえのことなどです。
骨盤の左右への傾きは、骨盤に着いている筋肉の緊張が左右で異なることが原因です。
同様に骨盤の前後への傾きや、体幹に対する捻れなども、直接的には骨盤に付いている筋の緊張によって発生します。
繰り返しになって恐縮ですが、骨盤の傾きのバリエーションてものは、筋緊張のかたよりを表す結果であって、それ自体は原因ではありえません。


【 クイズ:骨盤矯正の手順と実際 】

後述の、脚の長さを“調節”したり、背骨を“矯正”したりするのも同じ仲間ですが、“骨盤矯正”では実際にどのように行なわれているのか?
先ずは“診断”ですが、あれこれ観察して見せた後、全てのお客さんに「その症状は骨盤が歪んでいるために起こっています。健康になるためには骨盤を矯正しなければなりません。」と言います。「あなたの場合、状態はかなり悪くて普通なら手遅れ。ただし私の治療院はそのような患者を何人も救っているから安心して任せて欲しい。わたしに遭えたあなたは運が良かった、今ならなんとか間に合うから。」と付け加えること忘れません。
そして治療の契約。10枚綴りの「治療券」を買ってもらいます。VISAもMASTERも使えますし、キャンペーン中で割引も効くかも知れません。
さて、ここからはクイズ。どのような方法で骨盤を“矯正”するのでしょうか?以下から選んでください。複数選択可。

① カイロプラクティクスベッドに横たわったあなたの身体のあちこちを、上から押さえつつ「ガシャン、ガシャン」と音の出る器具を鳴らしてみせる。
② ベッドに横たわらせて背中を押したり揉んだりする。もちろん、日本でも施術者の他数名だけが体得している特別なマッサージである。
③ 曲面を持つ木のブロックを身体のあちこちにあてがい、それを木槌でカツーン、カツーンと叩いて骨盤を“調整”する。
④ 簡易式サウナを使ってから泥のパックを全身に実施。身体から「毒素」を排出させる。骨盤が正しい位置に戻るほか、体調もとても良くなる。
⑤ あちこちのツボに温灸器具をあてて“気”の循環を促進させることで骨盤のバランスを取る。ついでに、どんな病気も治る。
⑥ “宇宙力”が宿る治療者の手のひらから、“気”を送る。しゃもじのような器具を手にしていることもある。“宇宙の気”のお陰で、どんな病気も治る。
⑦ 電気仕掛けの椅子に座らせる。すると体がマイナスイオンで満たされ、骨盤が徐々に正しい位置に元に戻るほか、身体から「毒素」を排出させるので血液も綺麗になり、どんな病気も治る。

答え:⇒クリック


【 何でそこまで言う? 】

ここ数年、何人かの方が、「骨盤がおかしいので診て欲しい」と、当院を訪れています。理由を尋ねると、上記のようなテレビ番組を見ているうちに心配になってきた、というのです。
そんなこと言って“治療院”を訪れるなんて、飛んで火に入る夏の虫。肉食獣のに向って自ら首を差し出している哀れな草食獣、と例えたら失礼にあたるでしょうか。
医師、歯科医師、鍼灸師、柔整師、マッサージ師。町なかで開業している、これら医療業務に携わる者の仕事は、健康状態に問題がある人、不安を感じている人に、医療技術者の職能を利用して手を差し伸べることです。
まともな人なら金を稼ぐ目的で他人を不安に陥れても構わないなどとは考えない。
自称しているだけであっても、自身を医療従事者と見做している人なら、最低限引いているそういった一線を軽々と飛び越える「詐欺師」や「偽医療技術者」という名の肉食獣がわれわれの社会には多数生息し、獲物を待ち構えていることをお忘れなく。


この文章に納得できない方は、どうぞ試しに連中の餌食になってください。それもまたあなたの人生。
また、自称治療師の方々、インチキ治療に精を出して稼いでください。それを恥と感じないのもあなたの人生。ただちょっとムカつくのは、それら肉食獣と、わたしの接骨院が、世間様には同じ職種の輩と見えていることです。実際、接骨院でありながら「“骨盤ナントカ”やります」てなことを広告していヤツも増えているし。「接骨院の業種に泥を塗らんでくれ。」と彼らに言いたい。
この実情を伝える情報源が余りに少ない現状に、憤慨しつつ一石を・・・・ポチャン・・・・投じてみたわけです。



脚の長さが左右で違っている?

【 脚長差 】

ある勉強会の参加体験記です(実話)。その“勉強会”とは、ある乳酸菌代謝物を販売している会社が開催していたもの。件の液体の新しい用途を、ナンでもいいから“発見”して販売促進に繋げようという目論見の“トンデモ勉強会”であることが、会の進行に伴って徐々に明らかになっていきました。
色々な人物が次々と壇上に上がり、スカスカな内容の寝言のような発表を行ないました。そして、主催者側の言葉によれば鍼灸師界の重鎮であるセンセイが登場し、問題の液体を背中のあちこちにあるツボにちょいとつけて皮膚を擦ると・・・・あーら不思議、“骨盤の歪み”が矯正できるので~す、てな「研究成果」を発表しはじめました。
不覚にもこんな会にかかわったのは知人の強い勧めがあったからですが、短い人生の限られた時間を無駄使いしたことを、自分自身と両親に対して申し訳なく思っています。
で、その鍼灸師は机の上にうつぶせに寝かせた被験者の背中をちょこちょこ触りつつ経絡理論だかに基づいた治療の真似事をやっていました。あきれて見ていたら、終いに被験者の踵を両手でガツンと引っ張り、「これで脚長差が是正されました」と真顔で言ってのけたには驚いた!
そりゃ脚を引っ張って骨盤の向きを変えただじゃありませんか?(↑参照)
コイツ、まともじゃ無い・・・前項で述べたとおり、見かけ上の左右の脚長差は骨盤の水平が保たれないことにより容易に観察されうるものです。そもそも、脚には骨が入っているんだよ。それが簡単に伸び縮みするわけないじゃん!
机の周りを囲んだ講習生達の顔をそっと見回してみましたが、皆さん真顔です。こっ・・・これは・・・この人達、おつむは大丈夫なのでしょうか?気付かれないように人垣の後ろに回り、こっそり会場を脱出することに成功しました。
まるで基地外帽子屋のお茶会のような、楽し過ぎる“勉強会”・・・懐かしい思い出です。


【 結論 】

ふーん、脚長差を“治す”には最後に足首を引っ張りゃいいんだな・・・そんなに簡単なら俺にも整体師が務まりそうだな・・・と読み取る輩がいても無理ないかも。
脚長とは、大転子(脚の付け根の外側に触れる)から腓骨の外踝(外くるぶし)までの距離を言います。脚長差が問題となるのは、見かけ上の問題ではなく、怪我やポリオの後遺症などにより、実際に骨の長さが左右で著しく違うので歩行障害が発生している場合です。
自称治療家が金儲けのダシに使う言葉ではない。ホントの脚長差がある人に対して失礼だろうが!脚長差が著しい人達は履物の高さを変えるなど工夫が必要だったり、脚の骨の形成外科手術により修正を試みたりで苦労しているのだ。こんなでたらめ言ってて恥ずかしくないのかお前らっ!